パラ
□アルビレオ Ⅱ
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並中では今、生徒達が何者かに無差別に襲われるという物騒な事件が起きていた。
しかも、歯を何本も抜かれるらしい。
最初は風紀委員の者が何人も襲われて、犯人は風紀委員に恨みがある者ではないかと騒がれていた。
ツナにも「お姉ちゃん…気を付けてね…お姉ちゃんだって風紀委員なんだから……」と心配された。
しかし、風紀委員以外の生徒も襲われだしてからそれは間違いだと分かった。
というか、今まで襲われた面子…何処か引っ掛かる所があった。
見覚えのある並びなのだ。それも、極最近…
「今日の星座ランキング見た？」
「見た見た！私今日1位なんだ～♪」
警備のために校門に立っていると女子の声が耳に入った。
『ランキング……そうかッ！！！』
【ランキング】という単語でピンと来た。そうだ、この被害者の並び順はフゥ太の作った【並盛中ケンカの強さランキング】の24位からの並び方と全く同じ…冷静に考えてみると、抜かれる歯の本数だって1本ずつ減ってきている。
『…何かのカウントダウン…か？』
確かあのランキングの上位は獄寺、山本、雲雀…そして何故か俺だったりする。
何かの間違いだとかその辺は置いたにしても、とりあえずツナに害は無さそうだ。
でも早めに首謀者を潰すのが得策だろう…事件と直接関係があるのかどうかは知らないが、ここ最近フゥ太の姿を見ていない。
「ねぇ、お前確かこの前やられた奴とよくつるんでたよね…」
「へッ！？すみません、群れるような行為してすみません！！！」
「いや、俺その事は何とも思わないから…で、何か彼から聞いてない？」
ちなみに俺の風紀委員での肩書きは副委員長だ。副委員長は原則として2人いるらしく、草壁さんと俺が副委員長として務めている。
まぁ、誰かさんに無理矢理やらされているのだけれども。
「そういえば黒曜……黒曜がどうだとか言ってた気が…」
黒曜…その固有名詞に今度はピンときた。
先日黒曜中に転校生が来て、たった1日で学校中の不良をしめたという話を聞いたばかりだ。
「なるほどね…ぁ、校門頼めるかな、ちょっと見回り行ってくる」
見回り…と言っても、隣町までね……多分誰にも最後の方は聞こえていないだろう。それくらい小さな声で言った。
目指すのは、その転校生って奴が拠点にしていると専ら噂の黒曜ヘルシーランド…そこに行けば、首謀者と遭遇することが出来るのではと踏んで行動した筈だったのだが……
この時の俺は、情報が少なすぎた、少なすぎたんだ…