小説
□骸さんと綱吉君の攻防戦シリーズ
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『骸さんと綱吉君の攻防戦〜ジューンブライド編〜』
「綱吉君、何も言わずにこれにサインして下さい。」
突然、笑顔で突き出された封筒を見て、綱吉はきょとんとした。
封筒と言っても、不自然な位置に開いた四角い穴・・・
骸はこの妙な空間にサインをしろと言うのだ。
怪しい・・・怪しすぎる・・・・・綱吉は眉間に皴を寄せていた。
「お前・・・また良からぬこと企んでないか?;;」
目の前の彼を見上げると、いつも以上にすがすがしい笑顔・・・・・
絶対に何かある・・・骸が良からぬことを実行するときは、決まって笑顔がすがすがしいのだ。
常人ならば恐らく見破れないが、綱吉には超直感がある。
直ぐ様封筒を勢い良くこじ開けた。
「ちょっ、何するんですか!?・・・まぁ、見たからには仕方ありませんね。
意地でもサインしてもらいます。」
パサリと微かな音をたてて落ちてきた物に、綱吉は固まった。
『こ・・・こんなことだろうとは思ってたけどさぁ;;;(泣)』
―婚姻届―しっかりと印字されたソレの前に、綱吉は固まることしかできなかった。
しかも空欄になっているのは、自分のサインの所だけで、残りはご丁寧に全て埋められている。
プライバシーも何もあった物ではない。
「・・・ふざけんな・・・」
ぼそりと綱吉が呟くとほぼ同時に、紙は消し炭に変わった。
「骸・・・お前の根性を叩き直さなければ・・・・・死んでも死にきれねぇ!!」
「!?オート超死ぬ気って反則じゃないですか!?」
「うるさい、黙れ!!!」
その後、綱吉の鉄拳制裁が骸に下れたと言う・・・だが、ソレで諦める骸でも無かったらしい・・・・・
【END】