小説

□小話
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『酒は飲んでも飲まれるな?1 〜雲雀編〜』

春のある日、僕は3日ぶりにイタリアの屋敷に帰ってきた。
予定よりも大分早く話がまとまり、あとは報告書を提出するだけだった。
だが、肝心な綱吉が見つからない。
彼の部屋は勿論、資料室にも何処にも姿が無かった。
僕は半ば呆れながら、休憩室に戻ることにした。

『今日は特に出かけるとは言ってなかった筈なんだけどね・・・』

これだけ僕に手間をかけさせたんだ、後でたっぷりとお仕置きしなきゃね。
確かにあの時まではそう思ってた。


何故か、休憩室には今まで探していた人物がいた。
・・・灯台元暗しとはこの事か・・・
綱吉は僕を見ると微笑んだ。

「あ、恭弥さんお帰りなさい。」
「ただいま、こんな所に居たんだ。部屋に居なかったから探したよ。」

綱吉の隣に座ると、ソファーはギシリと軋んだ。

「予定より大分早かったみたいですね。お疲れ様です。」

そう言って、綱吉の僕より断然細く小さい手が両頬に触れたかと思うと・・・
キスされた。
その時、微かに酒の香りがしたから多分酔っての行動だろうけど。

「ワォ、どうしたんだい?今日はやけに積極的じゃなかい。」
「オレだって・・・たった3日とは言え寂しかったんです・・・」

なかなか可愛いことを言ってくれるじゃないか。
きっと無意識で言っているのだろうけど仕事帰りの僕には十分過ぎた。
綱吉と2人きりの時間を過ごそうと思った丁度その時、奴が戻ってきた・・・

あのパイナップルが・・・・・
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