頂・捧

□守りたいのは
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「恭弥さんとこうやって外に出るの、久しぶりですね!」

ふわふわした甘い琥珀色の髪を揺らし、何歳になっても変わらない柔らかな笑顔を雲雀に向ける。
二人は、つかの間の休息を楽しんでいた。綱吉がマフィアのボスとなって早数年…
最初こそは、この東洋の血を引く女ボスに反感を抱く者も数多くいたが、本人も守護者達もしっかりしていたため、今ではほとんどの者が彼女を認めるようになっていた。
つい最近も、綱吉は大きな抗争を片付けたばかりだった。そしてようやくもぎ取れた休日。
最愛の恋人と過ごす事ができ、綱吉はほんの少し浮かれていた。
仕方が無い、こうやって雲雀と二人きりになるのは本当に久々なのだ。

「最近は抗争ばっかりだったからね。」

綱吉の、自分より二回りくらい小さな手を握って言うと、赤面しつつの笑みが返って来て、雲雀もつられて少しだけ笑った。
雲雀がそんな顔を見せるのは綱吉だけだ。綱吉が居ると、心が自然と穏やかになるのだ。

少なくとも今日一日は、こんな気持ちが続くのだろうと二人共思っていた。
その時までは…


【守りたいのは】
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