頂・捧
□きみはおいしい
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【きみはおいしい】
「おい、骸。いい加減にしろよ」
綱吉はキレていた。それもこれもすべては目の前でにまにま笑っているこのパイナッポー頭のせいだ。
「いい加減外せ」
「えー。やですよ。折角持ってきたのに」
「骸…」
綱吉のトーンが一オクターブ下がる。もはや目元は半眼を通り越して完全に据わっていた。
情にほだされついつい引き止めてしまったのが運の尽き。調子に乗った骸にまんまとはめられ、あれよあれよと猫耳だけでなくにくきゅう手袋ににくきゅうブーツ、果てはふさふさのしっぽやレザーの首輪まで付けられてしまった。しかもこれらの品、骸の幻覚なのかなんなのか、外そうとしても一向に取れない。そんなこんなですでに一時間以上この状態が続いている。
限界だった。堪忍袋の。これ以上は耐えられないし耐えたくもない。
とうとう綱吉は骸に掴み掛かった。繰り返すが、綱吉はキレていた。
「これをは・ず・せーッ!!」
力のかぎりガクガクと揺さ振る。首輪に付いた金の鈴が綱吉の首元でちりんと場違いに涼しく鳴った。
「う、く、苦し…綱吉くんちょっと。首、くびしまってます首!っぐ…」
ぎらぎりぎり。握力の限界に挑戦するかのように手加減なしに締め上げる。何度も言うが、綱吉はキレていた。
「わ、わかりましたから!外します。外しますから落ち着いてください綱吉くん」