パラ
□Il dio di morte
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※死ネタで微妙に痛々しい表現有り。(事故)
真っ赤に染まる空。
オレを見て響動めく人々。次第に激しくなっていく人混み。
少し離れた所には、凹んで血が付いたりしているトラックが停まっている・・・
『オレ・・・このまま死ぬんだ・・・・・』
薄れていく意識の中でぼんやりと考えていたその時、1人の男がオレを見下ろすように立っていた。
視界は既に霞んでいて顔がはっきりと見えなかった。
『Il dio di morte』
『何だ、こいつ・・・』
その男は、懐から写真を取り出し、それとオレを交互に見ていた。はっきり言って意味不明な行動だ。
しかも、周りの人はこの男が見えていないらしい。さっき着いたらしい警察もこの人を立ち去らせようとしない。
もしかしなくても、オレにだけ見えているようだ。
「・・・沢田綱吉君・・・・・ですよね?」
写真から目を離し、オレを見つめて言った。答えようにもオレの声は出ない。だって、もうそんな気力も無いのだから・・・
「あぁ、僕との会話は頭の中に言葉を思い浮かべてくれるだけで結構ですよ?」
聞こえますからと笑顔で言われた。この状態のオレを見て笑顔で言葉を口に出来るなんてやっぱりこの人おかしい。
「・・・おかしくありませんよ、僕は死神なんですから。」
『死・・・神・・・・・?』
死神って、死んだ人間の魂回収するとかいうアレか?・・・本当にいるんだ、とか今更思ってみる。
実際に目にする今日この時まで、死神なんて漫画とかゲームの中だけの存在だと思っていた。
現に、今でもその存在が信じられない。でも、自分は死神だと目の前の男は言った。
・・・駄目だ、何か混乱してきたかも・・・・・;
『で、その・・・死神様がオレに何の用?』
「まだ名乗っていませんでしたね。僕は六道骸。実は、君の死期が迫っていると言う事で迎えに来たんですよ。」