小説

□落雷、時々甘え
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ザーザーと壮大な音をたて、地に降り注ぐ雨。
降り注ぐと言うより、地面に叩きつけられるように落ちてくる水滴。
その音に混じるかのように、雷が轟いていた。


『落雷、時々甘え』


雷が大きな音をたてて鳴るたびに、綱吉は己の小さな体を震わせていた。
その日最後の授業が終わる少し前に振り出した雨は、今もなお止むことなく、それどころか激しさを増していた。
傘を持って来ていなかった綱吉は、雨が止むまで学校で雨宿りをすることにしたのだが、苦手な雷までも鳴り始め、教室でただ1人うずくまっていた。
今、2−Aの教室には綱吉以外誰1人としていない。
山本は部のミーティングだし、獄寺は腹痛による欠席。
他のクラスメート達はとっくに帰宅、あるいは部活動中・・・そういうことから、綱吉は1人きりだった。
ピシャッ!!と威勢の良い雷の音が響くと、綱吉はますます体を縮こまらせた。
一瞬光っては雷鳴が轟く、その繰り返しを綱吉はたった1人で耐えていたが、それも限界が近付いていた。

『ひぃっ;;また鳴ったー!早く止めよ;;;』

ガラリッ、突然の音に綱吉は心臓が口から飛び出しそうになった。
音の発信源であろう場所を見ると、閉まっていたはずの扉が全開になっている。

『えっ!?何、何が起きたの!!?』

教室の灯りは、いつの間にか落ちてしまったらしく真っ暗。
唯一の光と言えば、刹那的な雷の光だけ。
そんななか、雷の光が教室内をほんの一瞬だけだが、明々と照らした。

「ぇ・・・雲雀さん!?」
「やぁ、今日はなかなか気付かなかったね。」

雲雀が綱吉に歩み寄るとほぼ同時にけたたましい雷鳴が教室中に響く。

「ひぃっ!!!;;」

巨大な落雷に、綱吉の体は敏感に反応した。
勢いよく“何か"にしがみ付き、体をブルブルと震わせる。

「・・・何、綱吉って雷苦手なの?」
「ぇ?」
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