小説

□IF…
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【IF…〜もしも病院でランボ達の邪魔(?)が入らなかったら・・・〜】


「音を立てたら噛み殺す」

綱吉は雲雀の言葉にびくびくしていた。なかなか眠れない。
ちらりと雲雀の方を見ると、向かいのベットの中で眠っている。
静まり返る室内。それもそのはずである。
この部屋の主は木の葉が落ちる音でも起きると言ったのだから。
つまりそれはほんの少しの音でも起きるという事を意味している。
綱吉にとっては、息をするのも恐ろしいくらいだった。

『兎に角寝よう・・・寝てしまえば大丈夫だ;;』

瞼を降ろしても、なかなか睡魔はやって来ない。
布団に潜ってみたり、足の怪我に気を付けながら寝返りを打ったり・・・
結局眠れたのは大分時間が経ってからのことだった。


『よく寝てるね・・・』

雲雀は綱吉のベットの脇に立っていた。
そっと栗色の髪に触れても起きる気配は無い。
少し前に一瞬目を覚ますのかと思ったが、すぐに寝息を立てて眠りの世界に帰って行った。
掛け布団を引き剥がしてみてもやはり起きない。
ニヤリと人の悪い笑みを浮かべると、綱吉の体に手をかけた。

そのまま持ち上げてみると、軽々と持ち上がった。
中学生にしては小柄で軽い体はあっさりと雲雀の腕の中に納まる。

『この部屋に来たんだから僕に従ってもらわなきゃね』

クスリと微笑して歩き始める。
目指すは勿論自分が今使っているベッド。

綱吉を先にベッドに転がすと、すぐに自分も隣に寝転んだ。
すぐ隣で眠る綱吉の体温がお互いのパジャマの布越しに伝わってくる。
雲雀はその愛おしい熱に口元を緩ませた。
抱きすくめるとより一層伝わってくる温もり。
負傷した足に注意をしてやりながらも、抱き枕を抱くようにして雲雀は瞼を降ろした。
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