小説
□Now that you are here...
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辺りはまるで墨汁をぶちまけたかのような夜空。
月のない夜だった。
星だって1つもない。
不気味・・・その言葉がよく似合うような夜だった。
そんな夜道がはっきりと見えるわけもなく・・・街灯の光が僅かにだが何処までも続いていきそうな道をぼんやりと照らし出している。
そこを息も絶え絶えに走る者の影が1つ・・・
そしてそれを追う影がずっと後ろにもう1つ・・・
【Now that you are here, let's start the game.】
「遅くなっちゃったなぁー;」
時刻は午後5時。
冬は日が沈むのが早くて夕方と言っても辺りはもう真っ暗だった。
並盛中学に通う沢田綱吉はとぼとぼと帰宅していた。
「早く帰って休みたいなぁ・・・」
居残り勉強を終えた後で綱吉は疲れきっていた。
今日の夕飯は何だろうとか早く寝ようとかそんな事ばかりが頭に浮かんだ。
まさか、自分が惑わされているとは知らずに・・・