小説

□風邪ひき
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「ツッ君朝よ、起きなさーい」


母さんの声に俺はゆっくりと目を明ける。
いつもと変わらない朝。
今日もいつものように1日が始まるのだと思ってた。

体を動かそうとするその瞬間までは。



『風邪ひき』



・・・何故か体がとてつもなくだるいことに気が付いた。
それどころか視界も歪む。
それに、今は冬だと言うのに何だか熱い。
そうかと思えば突然悪寒がやってくる。とても奇妙な感覚だ。

「ツッ君、まだ寝てるの?早く起きないとご飯冷めちゃうわよー?・・・ツナ?」

母さんはどうやらオレの異変に気付いたらしく、手をさっとオレの額に当てた。
氷でも当てられたかのようなひやっとした感覚にびくりと体を小さく震えたが、それも最初だけで後にはその冷たさが心地良く感じられた。

「ツナ、念のために計ってみなさい?」

そう言って母さんが取り出したのは体温計で・・・オレは言われるがまま、なんとか起き上がった。
ボタンを1,2個外して体温計を脇に挟む。

ピピッピピッ・・・

デジタル表示を見て俺は一瞬目を丸くした。
38.4℃・・・高熱だった。

「風邪・・・かしら。今日は学校お休みして安静にしてなさいね。」

母さんはそう俺に言って、部屋から出て行った。
俺は中途半端に起こした上半身をベットに横たえた。
風邪なんて久々だなぁ・・・
なんて思っていると、母さんがお粥を作って持って来てくれた。
オレは何とかそれを食べ、深い眠りへと落ちていった・・・・・
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