小説

□超バレンタイン
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※この小説は、選択肢が存在します。自分の選んだ選択肢に従って読み進めて下さい。
でないと迷子になります!話繋がりません!




日が落ち、暗闇が徐々に支配し始める夕暮れ。
橙と紺が見事なグラデーションを生み出している中、綱吉はもうほとんど人の居ないであろう校舎内を移動していた。
死ぬ気の炎による推進力で逃げ惑っていた。彼を追いかけているのは、雲雀恭弥と六道骸の2人だ。
綱吉はふと視界に入ったプレートを見て考えた。図書室・・・しばらく悩んだが、隠れる場所の多さに惹かれて、静かに教室の中に入った。
部屋にある大きな本棚の後ろに出来た影に座り込む。そして、何故このような状況に陥ったのかを冷静に思い返してみた。


(ハイパー)バレンタイン』


事の始まりは雲雀と骸の綱吉をめぐる争いだった。正しくは綱吉のチョコを、だが。
今日は2月14日――一般的にバレンタインデーと言われる日だ。
恋する乙女が意中の彼に思いを込めてチョコを贈る日・・・・・
と言うのは日本のお菓子メーカーの策略だ。放課後、応接室に呼び出され、足を運んだ。
カラカラと小さな音を立てて扉が開いたと同時に、綱吉の行動は完全に停止した。
痛い程の殺気を放出しながら睨み合う雲雀恭弥と六道骸・・・そしてその横で楽しそうに眺めているリボーンの姿・・・
綱吉は知らず知らずのうちに、ほぼ無意識で扉を閉めていた。関わりたくない・・・瞬時にそう思った。
恐らくあの2人はまだ睨み合っている。逃げるなら今しかない、今ならきっと逃げる事が出来る・・・!
だが、現実は厳しかった。走り出そうとした瞬間に両肩をがっちりと掴まれる。
いきなり押さえ付けられたせいで、バランスが崩れてしまう。

「「何処に行く気だい(ですか)?綱吉(君)。」」

声の持ち主達・・・雲雀と骸の間に丁度倒れていた。
2人に肩やら腕やら腰やらをがっちりと掴まれてどうにか床と仲良しにならずに済んでいる状態だ。
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