小説

□雪みたいに・・・
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『雪みたいに・・・』



並盛に大雪が降った。その影響で学校に登校出来なかった者が多く、並中は2時間授業をしただけで早々に下校となった。
喜び勇んで足早に下校していく級友達を見送りながら、綱吉はふと窓の外を見た。
透き通ったガラスの1枚向こうには、白銀の世界が広がっている。
その中を談笑しながら楽しげに帰る生徒達・・・
綱吉は何処と無く疎外感を感じていた。今日は獄寺も山本も学校へは来ていない。
綱吉は必然的に1人での下校となる。
少しだけ心細さを感じて再び窓を見ると、正門に人だかりが出来ていた、特に女子生徒の。

『ぇ、何で!!?』

人だかりの中心にいる人物を見て、綱吉は慌ただしく教室を飛び出した。見間違えでなければあれは・・・・・
10cm近く積もっている雪の中を掻き分けて綱吉は人だかりに近付き確信した。
ダークブルーの髪に、良くも悪くも個性的な髪型、深緑の黒曜中の制服に、モデル並みに整った顔立ちと魅力的な赤と青のオッドアイ・・・
それらの条件に当てはまる人物を綱吉は1人しか知らない。

「あぁ、やっと来ましたね綱吉君。」

どのタイミングで人だかりを抜けてきたのか、綱吉の目の前にその人物は立っていた。

「骸!・・・お前並盛まで来てどうしたんだ?」
「今日こそ綱吉君とデートしようと思いまして。」

綱吉の手を引いて骸は笑んだ。

「ちょッ、皆が居る前で何言って;;」

綱吉は周りの目を気にして言った。
さっきまで骸の周りに集まっていた生徒達に見られている、聞かれていると思うと、気が気では無かった。

「大丈夫ですよ、誰にも見てないし聞いていません」

骸の言葉通り、集まっていた生徒達は何事も無かったかのように下校していた。
勿論、誰1人として2人の方を見てはいない。

「さぁ、行きましょう。」

手を握ったまま優しく言われると心地良くて・・・綱吉はそのまま骸の横について歩いた。
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