小説

□報酬は甘い口付けを・・・
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「あの・・・これは一体///」

綱吉は雲雀の膝の上でうろたえていた。
部屋はクーラーがきいていて涼しいはずなのに、綱吉は顔を赤くしていた。

「何、文句あるの?」

そんな風に耳元で言われて綱吉はぶんぶんと首を横に振った。

『ち・・・近い;全然集中できないよ///ってゆーか重くないのかな;;』

勉強が始まっても、全く集中出来ていなかった。
膝に乗せられるのは初めてでは無いが、慣れないものは仕方ない。
雲雀の説明もろくに頭に入らず、ずっとぐるぐる考えていた。

「・・・ってなるわけ・・・ちょっと綱吉、聞いてる?」
「へ?ぁ、ごめんなさい!!!」
「せっかく教えてあげてるんだから集中しなよ・・・・・それとも、意識してるのかい?僕の事。」

まるで自分の事を見透かしているかのように発せられる言葉達のせいで、綱吉の心拍は上昇する一方だった。

「いや、ただ重くないのかなと思いまして;;」

そうは言っているが、頬の赤みは増すばかりだ。
綱吉は遠慮がちに、そして雲雀の機嫌を窺うように見上げた。
その様子がいつもにも増して可愛く見え、思わず雲雀は膝の上の少年を抱き締めた。

「全然重くないよ。むしろ軽いくらい・・・・・ちゃんと食べてるの?」

「食べてますよ;」

一般的な男子中学生から見ると綱吉の食べる量は少なく感じるが、別に食が細いというわけではないため、小首をかしげた。

「ふーん・・・」

服の上からとは言え、二の腕やら腰やらうぃ触られ、その部分が熱を持ってしまう。

「ヒ、ヒバリさん!!集中するんで宿題教えて下さい!!!///」
「・・・・・そういえば、そうだったね・・・」

雲雀は不服そうだったが、どうにか話を逸らすことに成功し、綱吉は安堵の息を吐いた。
そこから後は本気で宿題に取り組んだ。雲雀の教え方は思った以上に上手く、分かりやすかった。
雲雀に教えてもらう前までは全く理解出来なくて絶望していた綱吉だったが、終わるかどうかも分からなかったワークは雲雀のおかげで、その日の夕方には終わってしまった。

「終わっ・・・た?ヒバリさん終わりました!!本当にありがとうございました!」

キラキラと輝くような笑顔で雲雀に礼を言ったが、そんなことで満足する雲雀ではない。
背後から綱吉の顎を形の良い指で救い上げてスッと目を細めた。

「お礼は君からのキスでいいよ。」
「えぇ!!?」
「・・・・・ほら、どうしたの?さっさとしなよ。」

綱吉がやっとの思いで治めた心音の高鳴りも、顔の火照りもあっという間にぶり返した。
しかし、意を決して恐る恐ると言った風に雲雀の唇へ自分の唇をくっつけた。
綱吉は可愛らしいバードキスで済ませるつもりだったが、上唇を舐められたせいで叶わなかった。
閉じていた口が開き、そこから雲雀の舌が入り込む。

「んんッ・・・ふ・・・うぅん・・・・・ん、んー!!!」

暫くは雲雀によってされるがままになっていたが、やがて雲雀の胸板を叩くようになった。
そこでようやく雲雀は綱吉を解放した。

「はぁ――はぁ――・・・も、ムリ・・・・・」
「鼻で息しろって前にも言ったよね・・・・・それよりその顔、誘ってるの?」
「へ?」
「今日は赤ん坊帰って来ないんだろ?」
「?はい・・・って、え!?あのッ・・・///」

綱吉が雲雀の意図に気付いた時は、すでに押し倒されて首に幾つもの所有印を刻まれた後だった。



■END■
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