ざっそうすとーりー。

□Ringleader
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「ありがとう、みんな…っ」


私の目の前で綺麗に笑う彼女。
(卑しく、醜く、それを世間一般の綺麗だというならば。)


「別に当たり前だろ!!
お前は、仲間なんだから。」


それに頬を染める彼ら。
(長い年月を共にした、彼女は違うのか。)


「大丈夫、俺が守ってやる。」


麗しい中に抑えきれない感情を押し込めて笑う彼。
(彼女たちは気付かない。)


「何時までもその時間が続くなんて、思ってるのかしら?」


はたまた物陰から妖しく彼女を嘲笑う彼と彼女。
(それは瞳に彼と同じ色を滲ませる)


「何で、何で気付かねえんだよ…?」


醜く笑う彼女を知りながら彼女を信じたくも行動に移せない彼。
(それは疑心暗鬼と我が身可愛さ故に)


「…ねえ、何で…?」


仲間だと信じていた者に裏切られる被害者の彼女。
(いつかは気付くと信じ続けたのは自己保身の為。)



「私があの女の正体を暴いて、君を助けてあげようか?
君に、元の日常を。」


そう言えば彼女は弾くように顔を上げた。


「ほん、とうに?」

「ああ。
私は隠し事をするけどね、嘘はつかないよ。
嘘をつくくらいなら何もしないさ。」


だからね。
私が神さまで、この喜劇の舞台になるこの世界を創った存在、だなんて言わないの。


Ringleader
(さてさて、そろそろ終幕)
(荷物の取り残しはないように)
(お気をつけください)

 

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