ゆきやなぎ

□何このお人形さん超可愛いんですけど。
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ギシ、ギシ。
木が軋む音。

「298…299…」

グッ

「300!」

ふと、窓の外に目を向けた。
視界に刺した鋭い光に反射的に目を細める。

『はいっアレンお疲れ様ー』
「ッうわあ!?」

ガッターン、と盛大に音を立てて掴んでいた木製の椅子から転げ落ちるアレン。

「いてて…」
『おはよーアレン!
朝から鍛練かぁ、もしかして昨日あのくらいの崖登って危機感感じたのかなー?』

僕はクスリと笑い、アレンにからかうように言った。

「違いますって…。
大体鍛練なら前からやってます!
日課になってるって知ってますよね?
ていうか何時から…」
『うん、そりゃー勿論。
ていうかアレンお腹空いて食堂行こうとするだろう?
だから僕はアレンの素晴らしい方向感覚を心配して迎えに来たのー。
因みに30分前から居たよ?』
「そんなに前から居たなら声かけてくださいよ!」
『だが、断るっ!
それにアンノウンを使わないとか物凄いハンデあげたのに気付けなかったアレンが悪いー。』
「なんて理不尽…!」

…別に気付けなくってもおかしくないけどー、気づけたらアレンがスレてるって言ういらない新事実発掘しちゃうから良いんだけどな。

『ま、いいでしょ?
食堂いこーよ!
お腹空いたし。』

何このお人形さん超可愛いんですけど。
(そういえば今日ってララちゃんの任務の日だよね)
(僕も行けるんならアレンの成長を阻害しないで尚且つ助けられる計画練らなきゃねぇ…)

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