ゆきやなぎ

□はろー悪の総本山!!
1ページ/15ページ

『アレン、
もう疲れてきたのー?』

僕は自分の尻尾に座って宙に浮きながらアレンに尋ねた。

「そ、そう見える、ならっ!
麗も手伝ってくだ、さいよっ!」
『やだよ、
これから正式なエクソシストになるのにこれくらい登れないとか任務中にバテるよ。
おねーさんしんぱーい…。』
「なんなんですかその理由!!!
ていうか年下でしょ!!」
『頑張れアレン、負けるなアレン!
油断すると落ちて頭打って脳が潰れて死ぬぞ★』
「不安を煽ること言わないでくださいよぉおお!!」

はいこんにちわ龍ヶ崎麗です。
今現在は黒の教団本部こと、悪の総本山に向かうべく断崖絶壁を登っています(アレンのみ)。
だって態々登るの面倒だし?
バ神田と言うパッツン美人と一戦交えるのに無駄に体力使うのヤダ。

『あ、そんな事言ってるうちについたよー』

そう言った途端にアレンのペースが上がり、
最後の一歩を登りきった。

「や…、やっと着いた…」

アレンは地面にへたり込む。

『わー、アレン体力なーい…。
ジャンが言ってた貧弱否定したの間違いだったかもー…。』
「そういう麗はどうなんですか!!」

…アレンって可愛いけど馬鹿かも知れない。

『何言ってんの?
僕クロスよりも強いし体力あるのにー!
そんな口叩くのは元帥なってからにしてよね!!』

アレンはそう言えば…という顔をしながらも立ち上がる。

『ていうかさー…』
「なんですか、麗?」
『エクソシストって聖職者なのに、
本部ってまるで悪の総本部だよねー…。』
「…ですね…。」
『ねー、ティアにティムー…本当にここ?』

僕がティアに尋ねると肯定するように羽をはばたかせる。

「とにかく行ってみるか…。」
『まぁそれしかないよねー。』

ジ―――――

何かの機械音が聞こえる。
何を話しているか聞くために狐耳を出す。
因みに普通より聴力が上がるためだ。

《なんだいこの子達は?!
しかもこっちの女の子は可愛いけどなんか狐耳見たいの出てるし、怪しいじゃないか!
なんで落とさなかったの!?》
《あ、コムイ室長!
それが微妙に部外者っぽくねーんスよね。》
《ここ見て兄さん。
この子達元帥のゴーレム連れてるのよ。
それに女の子の方に居るのは元帥のゴーレムと似てるし…。》

…イライラする。
どうも自分から相手の姿は見えないのに相手から自分が見えているのは慣れない。
痺れを切らした僕は黒い麗達とは違い、
通信機能しかないゴーレムに話し掛けた。

『えーと…こんにちは。
マリアン元師の紹介で来た麗・龍ヶ崎とアレン・ウォーカーです。』
「教団の幹部の方に謁見したいのですが。」

アレンも僕の言葉を繋ぐ。
…もうすぐパッツン美人さんが来る…!
生身の人間と闘うのは久しぶりだ。
てなわけで血が疼きます!
そう思っているとまた黒のゴーレムから声。

《後ろの門番の検査受けて》

「え。」

アレンはそう声を発し、
僕は後ろに振り替える。

『…キモ、あっ間違えたー厳つい顔ですね。』

僕読みでそう言う僕。
…決してキモいなんて言ってないぞ!
思っても言ってないんだよ!!
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ