さんきゅー!

□逃げろ!!
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みーちゃん
「ねぇねぇなまえ」










なんとなくいつもと違う口調のみーちゃんに思わず本能が反応した。




――逃げろ!!




ダッシュでみーちゃん宅の廊下を走る。


みーちゃんから離れなければ!!


妙と言えばあまりに妙な気持ちがわき上がってとにかくダッシュ!!




……したんだけどあっさり捕獲されました。









みーちゃん
「なんで逃げんの?」

『だ、だって……』








本能が!!







みーちゃん
「ん、だいじょーぶ、悪いようにはしないからw」









ゆるっとした口調で言ったみーちゃんは私をお姫様だっこしてリビングにもどした。









『ちょっ……みちゃ!?///』

みーちゃん
「んー?」

『私自分で歩けr「いいっ」よくないっ!!』

みーちゃん
「いいからいいからっ」









早口でまくしたてるみーちゃんはなんだか焦っているようで。









『みーちゃんどうしたの?』









脈絡無しに思わず聞いてしまった。


ぴた、っとソファ手前で足を止めて私を見下ろすみーちゃん。




あ、この角度からだと両目見える。


なんて思ってたらみーちゃんが私をお姫様だっこしたままソファに座った。









『えっ、ちょっ……!!///』

みーちゃん
「今日は何の日?」

『んーと、ハロウィン!』

みーちゃん
「正解!……まぁそういうことです」

『ちょっと待ってどういうことだww』









こんなグダグダなやりとりで納得するか!!








みーちゃん
「なまえお菓子好きじゃん?」

『うん!!そりゃあもう!!』

みーちゃん
「俺今日絶対準備して喜ばせようと思ってたのに、用意したのが早くて賞味期限切れちゃって……」









しゅん。


悲しそうな目で見てくるみちゃ。



か、可愛い…………!!///







『わ、私はみーちゃんの気持ちがうれしいよ!!///』

みーちゃん
「ほんと?うれしいな。でもマジでごめん!!」

『んーん!!あっ、そだ、まだそのお菓子ある?』

みーちゃん
「ん、一応あるw」

『じゃあパッケージだけでも見たいなっ』

みーちゃん
「じゃあ持ってくるね!!」








私をぎゅっと抱きしめた後脇にどかし、うれしそうに冷蔵庫に行くみちゃ。


可愛いなぁ。



ナナちゃんの可愛さは飼い主のみーちゃんに似たのかな。



そんなことを考えているとみーちゃんが戻って来た。









みーちゃん
「かぼちゃのチョコとかなんだけど……」









コミック一冊分くらいの大きさの箱はオレンジと紫でハロウィンらしい飾り付け。


リボンの形も凝ってるなぁ。




観察してるとみーちゃんが申し訳なさそうに口を開いた。









みーちゃん
「でも賞味期限……」

『だからぜんぜん……って待って、チョコってそんなに賞味期限短いっけ?』

みーちゃん
「えっ?忘れちゃったけどでもほら、ここに10月29日までって。」









指をさして言うみーちゃん。


………あー、あー………w








『みーちゃん、それ来年の10月29日だよww』

みーちゃん
「えっ!?嘘、あっ、ほんとだ!!」









目を開いて驚いてる。


真正面からじゃ両目は見えないけど左目もきっとまんまるなんだろうな。









みーちゃん
「じゃあ……はいっ、ハッピーハロウィン!!」

『ありがとうww』













なんかいいなぁこーいうほんのりとした幸せ感。


自分でも分かるくらいに頬を緩ませていると













みーちゃん
「そんな可愛い顔してると食べちゃうよ?」










にっこり笑顔のみーちゃんが目の前にいた。









みーちゃん
「ねぇ、tricl or treat!!」

『えっ!?』

みーちゃん
「お菓子くれなきゃいたずらするぞ!!っていう日だよね今日はw」








あれおかしいな、みーちゃんの笑顔がどんどん「にやにや」に近いものに……






みーちゃん
「見るからになまえお菓子持ってなさそうだし、まさか俺があげたものを返すわけもないし、」

『う゛っ……』

みーちゃん
「いたずらしてもいいってことだよね!!」








にっこり笑顔に戻ったみーちゃんを見て本能が叫んだ。










げろ!!
( 俺の家で俺に逃げれると思ったら大間違いだよーw )
( く、くそー、つかまったー……!! )
( さて、と(姫抱き 寝室行こうか? )
( ちょっ、待てぇぇぇええ!!/// )
 

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