青の祓魔師

□守るべきもの
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「なんだよ、雪男〜。
そんな暗い顔すんなよー。
新学期だぜ!新学期!」

兄さんはいっつもこれだ。
楽天的で悩みなんかありゃしないんだろうな、いじめの対象になりうる僕とは違って。

「いいよね、兄さんは気楽で。」

ぼそりと呟いた僕の言葉に、兄さんがどんな顔をしたかも知らずに、僕は足早に学校へと向かった。


クラス発表ーー

今日から僕たちは中学生だ。
今までなんだかんだ同じクラスだった兄さんとも、ついに別々となった。

「クラス、違うね。……?」

振り返ると兄さんはいなかった。

僕が先々歩きすぎたのか。
いつもなら、待てよ雪男〜とか言って追いかけてくるくせに。

ま、いいや。
兄さんも僕ももう子どもじゃないんだ。一人でだって、、


そう思い、足を進めたところに。

「おいおい、コイツ知ってんぞ!
あの悪魔みてーな野郎の弟だろ?
こんなひょろい奴が双子〜??
笑わせるよな〜ひゃはは!!」

、、早速だ。
いつもこれだ、悪魔の弟だの。
よりによって新学期から…!
もうウンザリだ!!
僕は、、僕は!!

「僕は人間だ!!
兄さんと、、一緒にするな!!」

「おい、雪男、、」

聞き覚えのある声。

「に、兄さん、、!!」

兄さんは、くしゃりと笑ってそいつらに言った。

「コイツが悪魔なわけねーじゃん。
そんな訳わかんねぇ話あるかよ。
悪魔呼ばわりは俺一人で十分だっての。」

そう言うと、指をポキポキ鳴らしながら、そいつらに近寄った。

「うわっ来んな!
ったく何でこんな奴この学校にいんだよ!!早く消えろ!!」

そう吐き捨て、やつらは立ち去った。

一件落着だな、雪男!といつも通りニカッと笑うと、兄さんは自分の教室へと行ってしまった。

その日、僕はクラスで兄さん絡みのイジメにあうことはなかった。
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