青の祓魔師
□別々の世界
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「兄さん!早く起きなよ!
もう遅刻するよ!!」
少し怒った雪男の声。
こんな声聞くのいつ以来だろうか。
ほんとに記憶が書き換え
られちまってるのか。
「…すぐ…行くから。
わりィ、先行っててー」
精一杯、普通に話したつもりだ。
ちゃんと喋れたのか?
布団をかぶったまま、
少し泣いてしまった。
「ち…くしょ…ッ…」
兄さん、起きて?
ってキスをくれた毎日は、
もう無かったことにされて。
でも雪男は、
きっとこれで幸せになれんだ。
こんな弱い兄貴の面倒なんて
見なくて済むんだから。
昨日の夜、
何度も何度されたため、
身体が重いし、鈍く痛い。
そんな身体を持ち上げ、
学校へと向かった。