創作物

□押してダメなら・・・?
2ページ/5ページ

2

「悪いね皆、集まってもらって」

昼の姿のリクオは座敷に集まっている、毛倡妓、首無、河童、青田坊、黒田坊に声を掛けた。氷麗は昨日の夜に言ったとおり若菜に頼んで、2人で買い物に出て貰っている。

「毛倡妓から聞いてるかもしれないけど、僕は将来、氷麗と結婚したいと考えてる。だけど最近の氷麗の態度、分かるよね?だから皆に頼みたいことがあるんだ」

「リクオ様・・・それは本気なのですか?」

首無がリクオに戯れではないか、本当に氷麗を嫁にする気なのか、それを確かめようと聞いてきた。

「本気だよ。お前たちは覚えてるかな?僕が小さい頃から氷麗と結婚するって言っていたのを」

「ええ、まぁ、リクオ様はよく、雪女を悪戯の標的にされてましたが、決まってそのあとにおっしゃっておられました。雪女は将来僕と結婚するから何してもいいんだ、と」

黒は自分も良く落とし穴に嵌められていたことを思い出しながらリクオの幼いころの発言を言った。

「そ、あれはずっと本気だったんだ。だけど周りは僕の言葉を相手にしていなかったからね。でも今は違う。三代目を継いでだいぶたったし、人間は18歳で結婚できるからね。そろそろ、本気で氷麗をものにしようと思って」

「それでリクオ様〜、オイラたちは何をすればいいんですかね」

河童は相変わらず能天気にリクオになにを頼まれるのかを聞いてきた。

「たいしたことじゃないよ、ただ氷麗に僕の世話を100%するようにさせて欲しいだけ、特に首無と毛倡妓は一緒に台所の手伝いを行っているだろう。最近は氷麗が僕と距離を取ろうとして、自分の替わりに僕の世話を頼んだりしたりしているみたいだから。それを適当に理由を付けて断ってよ。夜の散歩や飲みに行く時も氷麗を必ず連れていくから、青や黒、河童の護衛は見えないよう頼むよ」

「あら、それだけですか?」

毛倡妓はもっと面倒なことを言ってくるかと思っていたのだろう。それが簡単なことだったので驚いている。

「ああ、じじいに母さんや三羽鴉、邪見にはもう伝えてあるから、なるべく僕と氷麗を2人きりにしてね」

この日からリクオは氷麗を自分の女にしようと色々と策を講じるようになったとか・・・
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ