創作物

□婚約者な氷麗ちゃん 壱
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婚約者シリーズ 壱

「おい…首無、氷麗知らねぇか?」

奴良家では夕飯も済み、各々がのんびりと食後の一服を楽しんでいた居間に現れたリクオは、氷麗を探して屋敷をうろついていた。

「氷麗様でしたら台所に居ませんでしたか?」

「さっき覗いたが居なかった…酌でもさせようと思ったんだがなぁ」

首無はまたか、と思った。

高校を卒業したリクオは晴れて子供の頃より大好きだった氷麗と結婚した。ようするに今は、俗に言う新婚だ。リクオは暇さえあれば氷麗に酌をさせ、そのまま寝床へなだれ込みあんなことやそんなことを楽しんでいるらしい。

「…リクオ様。こういうことを言うのはなんですが…近頃氷麗様に無理をさせすぎです!少しは自重して頂きませんと組のものへ示しがつ」

「…あ、氷麗見つけた、じゃあな首無!」

首無の小言が終わる前にリクオは見かけた氷麗と夫婦の営みを愉しもうと姿を消した。

リクオに呼ばれて来ていた鴆が見た首無は複雑な顔していたとか。

(…あれ、鴆様いつの間にかいらしてたのですか?)
(ああ、リクオに呼ばれてな)

(……………何用で?)

(あ―――……薬が欲しいんだと)

(……………何の?)

(……………媚薬)

(リクオ様―――!!)

(おいおい、あいつだってもう立派な三代目だろ、少しくらい…)

(何をおっしゃってるんですか!リクオ様はまだ18歳なのですよ!人間ではまだまだ子供扱いされる年…)

(四代目見てぇだろ、諦めな)

(…………………)

その頃―…

(氷麗、たまにはお前も酒飲めよ、な?)


(あぁっ…!ん…ふぁ)


(おぉ!さすが鴆、いい仕事するねぇ…こりゃ朝まで楽しめるな)


にゃんにゃんっ!

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