創作物

□遠野さいどすとーりー
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「なぁ、冷麗。聞きてぇことがあるんだが…」

遠野での修業の日々はリクオにとって新鮮な毎日だった。実戦で畏れを学んだり家事を行ったことはそこから色々と学んだことだろう。

そんな中、夜は大体飲み交わすことが多い、この奥州遠野一家。イタクや淡島、土彦らと一緒にリクオも酒を飲み、良い機会だからと雪女の冷麗に以前より気になっていたことを言ってみていた。

「なぁに?リクオ」

「…雪女ってのは風呂は水風呂しか入れねぇのか?」

どーん!

「リクオ!やっぱおめぇも男じゃねぇか!!」

淡島が囃し立てるがリクオは至極真面目だったという。

「あら、もしかして例のつららちゃんのことなのかしら?」

大人の対応なのか、冷麗は大して慌てるような仕草も無くくすくすと笑いながら問い掛けてくる。
しかしリクオにとってこのことは将来、もの凄く重要なことだったりするらしい。

「ああ、氷麗は冷麗と同じ雪女なんだけどよ…風呂はいつも水でさ、でも冷麗は普通に温泉に入ってるって淡島が言ってたからどうなのかと思ったんだ」

「畏れを上手く調節出来ればお湯にだって火にだって耐性出来るわよ」

冷麗は楽しそうに口元を袖で隠しながらくすくすと笑う。その仕草が奴良組の雪女を思い出させ、懐かしくも寂しくなっているリクオだった。

「でもそんなことなんで気になるの?」

冷麗の横にいた座敷童子の紫がリクオに聞いてきた。

「だって俺将来、氷麗を嫁にすっからな(予定)夫婦の営みの一つとして一緒に風呂入って色々ヤリてぇだろ」

どーん!

「でも水風呂しか入れねぇってなるとその楽しみは夏しかねぇからなぁ〜、冷麗が普通に温泉入るって聞いたからもしかして、と思ったんだ」

リクオは真面目な顔でその畏れの調節はどれぐらい掛かるんだ、とか、雪女はやっぱりいい男が好物なのか、など酒も入ったことで次々に冷麗を質問攻めにしている。


イタクは呆れてるわ、淡島と土彦、雨造はつららについてしつこく質問するわ、冷麗はリクオの質問に意外と真面目に答えていたり、紫はそんなリクオを眺めていたり…そんな遠野の日々だったとか。






――――――――――
リクオ→→氷麗ちゃん


うちのリクオ様は子供の頃から一途!
常に氷麗の事ばかり考えて生きてますリクオ様。

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