記念部屋

□11月11日
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◆ポッキーゲーム

奴良組、リクオ17歳設定。会話文的な








「あ、いたいた。氷麗―」

「リクオ様!何でしょうか」

パタパタとリクオに駆け寄る氷麗にリクオはあるモノを見せた。

「今日は何の日か知ってる?」

「今日・・・ですか?11月11日・・・何の日でしょうか・・・」

う〜んと悩む氷麗にリクオは見せているポッキーの箱から一袋取り出すとそれをピリッと破いて一本、ポッキーを取り出した。

中学校のころとは違い、背の伸びたリクオは少し屈んで氷麗との距離を縮めた。

「はい、氷麗。あーん」

「ふぇ・・・?は、はい」

にっこり顔のリクオに氷麗は思わず小さな口を開いた。

「これ、咥えててね、あと絶対に折るようなことはしちゃダメだよ。解った?」

氷麗はきょとん、としているがこくんと頷いた。

(何かしら・・・リクオ様の笑顔が怖い気がするのは気のせい・・・?)

「じゃあ、いただきまーす」

(まだ夕飯は出来あがっていませんが・・・!?)

「!?○×▲□※☆」

リクオはそう言うと、氷麗の咥えるポッキーの反対側を口に含み、食べ始めたのだ。氷麗は当然驚いたが、リクオにいつの間にか抱きしめられていたので身動きが取れず、かといって先ほど折ったりしてはダメと約束した手前どうすることもできずに目の前のリクオに瞳をグルグルさせていた。


そして、リクオの唇が氷麗の唇と重なりそうになると、リクオは思いっきり氷麗の腰を抱き寄せ、キスをした。

「ふぁ・・・ん・・・んぁ」

(可愛いな・・・氷麗はホントに)

「ふ・・・ふぁぁ、んー!」

「・・・・・ふう・・・氷麗、今日は何の日か解ったか?」

いつの間にか、夜の姿に変化したリクオは氷麗を抱え、彼女の顎を捕えて言った。

「・・・・・わ、わかりませんよぉ・・・」

涙目で頬を赤く染めた氷麗が答えるとリクオはにやりと口元を緩ませた。

「11月11日は・・・ポッキーゲームの日だ。恋人がいる奴はこれをしなきゃなんねーんだよ」

「い、今のがその、ぽっきーげーむというものなのですか?」

赤くなりながらも初めて知った風習のようなものに氷麗は驚いていた。

「ああ、これはな、恋人同士の絆を確かめるためのイベントみてーなもんさ」

「そ、そうなのですか・・・あの。リクオ様、降ろしていただけませんか?もうすぐ夕飯が」

「おう、後で食うから。先に氷麗を食べる」

にやぁっとしたリクオに氷麗の背筋が雪女のはずなのにぞくっとしたとか。

「ちょ、なな何言ってるんですか!きゃぁ!降ろして下さい!あ!!ちょ、青、毛倡妓見てないで助けなさいよー!!!」

「あー・・・リクオ様の楽しみは奪えねぇな」

「てゆーか、皆早く四代目見たいんだから頑張んなさいな」

奥の廊下の柱に見えた青田坊と毛倡妓に助けを求めるが青田坊はやれやれっといった感じだし、毛倡妓は手ぬぐいをヒラヒラと振っているだけで助ける気は無いようだったとか。

(最近毎日のように部屋に連れ込まれてるのよー!ああ・・・明日も皆に合わせる顔が・・・)

「氷麗ー、部屋行ったらまたポッキーゲームしようなー?」

「しませんー!!」

結局、11月11日はポッキーゲームの日では無く、ポッキーの日ということを氷麗が知ったのは翌日に登校した学校で巻鳥居に聞いて初めて知ったのだとか。








 

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