超新星☆ラブ

□君だけをずっと
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なんとなく進学した地元の高校。
小学生の頃から続けてきたバスケットボールだったが、女子生徒の少ないこの高校では、女子バスケ部は数年前に廃部となっていた。それでもバスケ部で居たいという理由から、男子バスケ部のマネージャーとして入部届けを出した。

このバスケ部は成績は自慢出来る程では無いが、他高の女子が練習を見に来るほどの人気を持っている。
そうさせている原因は、韓国からの留学生で三年のキャプテン、ユナク先輩だ。
180pをこす引き締まったスタイルと甘いマスク。それだけでモテる要素が十分だ。
先輩マネージャーに入部早々「キャプテンには本気で惚れるな」と言われた理由は、見学に来ている彼女達を見て納得出来た。
キャプテンがボールを持つ度に、シュートを決める度に黄色い声援が飛び交う。まるでどこかのアイドルの様だ。
「凄い人気ですね…」
「試合をする度に増えてるのもあるけど、やっぱ一番は雑誌じゃないかなー?」
先輩マネージャーはドリンクなど準備をしながらも話を続けた。
「前にね、メンズのファッション雑誌にスナップ写真が載ったのがキッカケで、今のこの状況。毎日20〜30人は来るんじゃないかな?」
整った綺麗な顔立ちとモデルの様なスタイルで、爽やかに汗を流していたら誰もがときめくのだろう。そして海外留学生だから片言の日本語を話す姿がどうにも堪らなく可愛く思えたりするのだろう。
そういえば、今はまだマネージャーの仕事にいっぱいいっぱいで、先輩の事なんか気にしたことが無かった。

ドリンクのボトルが入ったカゴを両手に抱え、すでに練習の始まっている体育館へと急いだ。
「あー!サァちゃん、やっと来た!」
そう呼び掛けられた先輩マネージャーは眉をひそめる。私も一緒になって、声のした方を振り返ると、練習着に着替えたユナク先輩だった。
「ちょっと!その呼び方やめてって言ってるじゃん!」
「えー!いいじゃん!ショウもサァちゃんって呼んでるし!ね、それよりもさ、突き指した所にテーピング!!」
ずいっ、と大きな手が目の前に伸びる。
「ヤダ。出来ない。」
「えぇ!?そろそろ覚えてよ〜!」
先輩マネージャーはとても気さくで、いつも明るくて元気な性格は部員達にもとても好かれている。実際、入部してまだ一ヶ月程しか経っていない私も、こんなにも人当たりが良くて付き合いやすい先輩マネージャーの事が大好きだ。
「あの…テーピングなら私がしましょうか?」
「え!出来るの!?」
振り向いたユナク先輩の笑顔は一瞬、眩しさを覚えた。
 

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