おはなし

□言わなきゃわからない(折虎)
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虎徹さんの家でいつものように食事をして

リビングでテレビを見ている

人気ドラマなんだけど、さっきからHなシーンばかりで困ってる


『イワン?』
『は、はい!』
『チャンネル変えるか?』
『えっ…あの…』
『さっきからちゃんと見てないだろ?』


バレてたのか…


『な、変えるぞ』

とバラエティー番組に変えてしまった


『どうした?』

と覗きこまれドキっとした


『いえ なんでもないです』

と顔をあげ笑ってみせる


『そっか?ならいいや』

とテレビを見はじめた


はぁ…
さっきのドラマの男優さんが女優さんをお姫様抱っこしてるのが目に焼き付いてる

やっぱあんな風なのが男ってかんじだよな

頼りがいがあるってかんじだし

なのに僕は…
虎徹さんを姫抱っこなんてとてもじゃないけど無理

虎徹さんには内緒だけど
酔った虎徹さんをベッドに運ぶ時は NEXTでバーナビーさんになって運んでいる

虎徹さんには、バーナビーさんとかスカイハイさんみたいに頼りがいがある人が合ってるんじゃないかと思う


『イワン?』
『うわっ』
覗きこまれてビックリした


『どうした?さっきから変だぞ?』
『なんでも『なんでもなくねぇだろ?』』

肩に手をおかれ見つめられる

思わず目をそらすと

『イワン!』

と大声で呼ばれ仕方なく虎徹さんの方見る


えっ?
なんで?
虎徹さんが泣きそうな顔をしてる

『イワン 何悩んでんだよ 俺は相談どころか話すこともできないほど頼りないか?』
『違っ…』
『何が違う?』
『僕が…』
『イワンが?』
『頼りないなって…』
『イワンが頼りない?誰がそんなこと…』
『いえ、僕がそう思ったんです』
『なんで…』
『虎徹さんを抱きあげることもできないんですよ?』
『イワン それは…』
『虎徹さんにはバーナビーさんの方が…』

バシッ
『った…』

両頬を挟まれた

『バカなことを言うなよイワン』

ジッと目を見て話す

『俺の気持ちは無視か?なんで俺はイワンと一緒にいると思ってんだよ』
『それは…』
『それは?』
『僕が告白したから…』
『あぁそうだよ でもあん時俺も好きだって言ったよな?』
『は…い』
『あのな 告白されたからつき合ってると思ってんのか?』
『…』
『イワンに言われなかったら俺から言ってたよ』
『えっ?』
『イワンに言われる前から俺はイワンに好きだって言うって決めてたの』
『えぇ?』
『バニーちゃんのことは好きだけど仕事上のパートナーとしてだ』
『…』
『プライベートのパートナーはイワン お前じゃないのか?』
『虎徹さん』
『イワンに好きだって言おうって決めた矢先にお前から告られて…どんだけうれしかったかわかるか?』
『虎徹さん』
『体格だけで頼りがいがあるとかないとか決めんなよ お前は充分頼りがいあるぜ それにお前は若いんだ これからどんどんデカくなるさ』
『虎徹さん!』

抱きつくと背中をポンポンされた
それ子供扱い…
ま、いっか







20110726
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