Lucky Dog
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「はぁ……せっかくの酔いが、小屋に帰り着く頃にゃ覚めちまうぜ。明日の朝まで村長の家に居座りゃ良かったのに」
「そんな危険は冒せん。どこで疑われるか知れたもんじゃない。お前は、目が覚めたら州警の奴らがベッドを包囲してても良いのか?」
夜道の移動に文句を言うイヴァンを、ベルナルドがたしなめる
「ここの村人は鈍感だから大丈夫だって……」
「いや、明日になって酔いが覚めたら、おかしかったって気付くぜフツー」
「村長の車が二人乗りじゃなかったら、強奪するって選択肢もあったのにな」
小声で話しながら、村の外へと早足で進む
急がないと――
私達が小道へ足を向けたときだった
彼女は、静かに立っていた
『……っ!?』
ひとが、いた――
私とジュリオでさえ気付かなかった
いつからいた?さっきの話を聞かれた?
そう考えていた時、ジュリオが横切った
そして、ナイフが彼女に向けられて――