白雪王子

□朝食
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「おはよう、ヴァイス。」


朝いつもの時間に食卓に向かうと、

本当なら自分が先に席について

待っていなければならないはずだが、

あろうことか父様がすでに座り食事をしていた。


曜日を間違えたかと思ったがそんなことはない。

今日は日曜日。

父様もお仕事は休みだし、

自分も家庭教師もこないため休みとなっている。

だから朝食もいつもより遅い時間で平気なはずだが、

父様はもうデザートにさしかかっていた。


「お、おはようございます父様。
 あの、僕もしかして起きる時間間違えてしまいましたか・・・?」

「そんなことは無いよ、ただ早く目が覚めてしまっただけだ。
 安心しなさい。」


にっこり微笑みかける父様の顔を見て

緊張が一気に解けたが、

薄っすらと見える目の下の隈や青白い顔色に

疲れているようにも見えた。

そんな父様を気にしつつ席につき、

手を合わせて「いただきます」と呟く。



「そういえばヴァイス」

「はっ、はい。なんでしょう?」

「今日はなにか予定は入っているのかい?」

「天気が良いので、庭で本を読もうかと思います。」

「それ以外は?」

「いえ・・・、特にありません。」


自分は家庭教師を雇っているので、

学校にいく必要がなく友達がいない。

そのため遊ぶ予定など入るはずがないため、

日曜日はいつも庭で読書をするくらいだ。

友達がいないのは寂しいが、

その代わり使用人や家庭教師、

父様だって相手をしてくれる。

それで十分満足していた。


「なら良かった。
 本を読むのも大切だが、たまには体を動かしたらどうだ?
 村で一番腕が利く狩人のクリストだ。
 今日は彼と一緒に森で狩りをしてきなさい。」
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