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□何処にいても
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深夜11時。
仕事が終わり帰ってすぐだった。
「……何ですか?」
俺は今、玄関に立っている一人の男を睨みつけている。
高野さんかな、と思いインターフォンを連打される前に急いで来たのだが違っていた。
予想を超え、居た男は長身で、髪を金髪に染めていた。しかも黒いTシャツにズボン。それにサングラス付きだ。
見るからに怪しい、不審者のような感じだ。
俺は警戒心を強めたまま対応を続ける。
「こんな夜遅くに何ですか、警察に訴えますよ」
「……一緒にきてもらおうか。小野寺律!」
「はぁ?何言って……ん!?」
口元にハンカチをあてられ、呼吸をしようとした瞬間俺の意識は途切れてしまった。
ドサッ……
「お前は俺に借りを返さなくちゃな」
男は小野寺を抱き抱え、玄関に鍵を掛け、不敵な笑みを浮かべマンションを後にした。