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□HAPPY BIRTHDAY
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「銀ちゃん、誕生日おめでとうアル」
「おめでとうございます。銀さん」
万事屋のガキ共がクラッカーを手に俺に向かって放ってきた。
当然俺はポカンとするわけで……。
「銀さん現在年齢不祥だけど……ケーキは?」
「いいじゃないですか。気持ちですよ、気持ち。じゃ、僕は今日ライブあるんで」
「私もアル。今日は酢昆布早食い大会がアルね。無料で食い放題。じゃ、行ってくるアル!」
そして玄関から走って行く新八と神楽。
それに比例して俺は一人になった。
こんな悲しい誕生日あるかよ。
こう、もっとケーキとか、パーティーグッズとかさ、用意してプレゼントとかさ……。
ピンポーン
万事屋のインターホンが部屋に響く。
俺は玄関の扉を開ける。
「土方…君…?」
「よ…よぉ…。今、ヒマか…?」
居たのは俺の愛しい恋人。
今日は隊服ではなかった。まぁ、どんな服でも可愛いのには変わりない。
そんな恋人が頬を赤らめながら聞いてるんだ。
部屋に入れない男は居るはずがねぇ。
だから、俺は
「ヒマだよ。いつだって。土方君からのお誘いならどんな用事も断るね」
「恥ずかしいこと言うんじゃねーよ。この馬鹿が//」
どんなクサいセリフでも照れる土方君。
そんな顔で祝って貰えたら俺はしんじゃうかも。
でも恥ずかしがり屋でプライド高い土方君が他人を祝うだなんて、ありえないけどね。
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