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□pillow talk
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「律、寒い」
そういいながら、政宗は律を後ろから抱き寄せた。

「そうですか、俺は別に」
政宗がしたいように抱かれながら、律は答える。
高野さんにだかれていると落ち着く。そんなことを思いながら、ウトウトしかけると、
「お前はなんで寒くないんだよ。」
そういって、さらに律を強く抱きしめた。

すると、律は全身を真っ赤にして蚊の鳴くような声で答えた。
「高野さんがいるから・・・」

それを聞いた政宗は律の首筋に顔を埋め優しく微笑んだ。

「いい加減、名前で呼んで。」

耳元で囁かれ、律はまた全身を赤くし、いたたまれなくなって、暴れてだした。

そして、高野さんの腕から逃れると、床に散らばっている服をかき集め、あわてて服をきようとするが、手を掴まれ、ベッドに引きずりこまれる。

「まだ、時間が早いし今日はみんな昼から出勤なんだ。だからここにいろ。それか、そんなに帰りたいんなら名前で呼べ。」

「はぁ、なんですかそれ。」
名前呼べっていわれても、そんな恥ずかしくってよべるわけないじゃないか。

「呼ばないならこのままだし」
「呼べばいいんでしょ、呼べば。」

あぁ、なんで俺いきおであんなこと言ってしまったんだよ。でも、言わないとこのままだし。
「ま・ま・まさむ・・・」

最後のほうは殆ど声になっていなかった。
「はぁ、俺はお前のママじゃないし。それに、本当はずっとこのままがいいんだな。ま、俺は構わないし。ほんと、素直じゃないな。」

ブチ、律の頭のなかで何かが切れる音がした。

「ま・政宗さん。これでいいでしょ。放して下さい。」

そう怒鳴り、高野の腕から這い出し、服を着てズンズンと足をならしながら帰った。
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