「や…俺は、も、いいから…」
「なんで? ここはまだ足りないって言ってるぞ?」
孝輔の言う通り、やわやわと揉み込まれただけで、すぐにそこが固さを増してくるのが判り、自分の体の正直さに頬が熱くなる。
孝輔が一度もイかないうちに、一人だけ二度目の兆しが見えるなんて恥ずかし過ぎるじゃないか。
「や、だ…俺ばっか……」
「してやりたいんだよ…つか、奏多のイク時の顔、めちゃ好きだから 何回でもイかせたい…」
そう何回もイけるかっつーの!
俺を見下ろす孝輔の柔らかい笑顔が、妙に意地悪く見えてしまう。
「俺よか、孝輔の方がズルイ…」
「何が?」
徐々に固さを増して来た俺自身を包み込むように握り直すと、孝輔の手がその形を確かめるような手つきで、ゆっくりと上下に扱き出す。 途端に そこから体中にゾクゾクとした疼きと熱が広がって行く。
その感覚を我慢しながら言葉を続けると、自分の意志とは無関係に途切れがちになってしまう。
「だっ、て…俺にな、んも…させてくれ、な…し…」
「だから、俺が奏多にしてやりたいんだよ。 お前が気持ち良くなって善がると、俺も嬉しい…」
(それがズルイんだって…俺だって、孝輔にしてやりたいのに)
そう思っても、孝輔に与えられる快感に翻弄されて、それを言葉にする余裕は俺には無い。
「いいから…お前は、ただ感じてろ」
横暴にそう言うと、完全に立ち上がり切った俺自身を扱きながら、ずっと握られていた手を離され、その指先で敏感な括れの部分を擦り上げてきた。
途端に腰が大きく跳ね、それと同時に先端からカウパーが溢れだす。
「はぁっ…あっ、あ……」
滴り落ちるカウパーが孝輔の指や俺自身を濡らして、扱かれる度にヌチャヌチャと粘液質な音がたち、それが耳に届くと羞恥と同時に 体の奥からゾワゾワと湧き上がる高揚感に、無意識のまま孝輔を締め付けてしまう。