「んん…孝…輔、ちょ…っと…待……あっ」
押し当てられる圧迫感に、頭では受け入れようと思っているのに、体は意志とは関係なく それから逃れようとして竦んでしまう。
そんな相反する思考と行動に 俺自身が戸惑ってしまい、孝輔の胸に手を当て押し返した。
「悪い、待てない…」
途端に、両肩がベッドに沈むくらいにキツく掴まれ、そのまま縫い止められるように押さえつけられると、孝輔はゆっくりと腰を進めてくる。
「はっ…あ、あ…や……痛…」
押し入って来る昂りは容赦なく俺を押し広げ、その激しい圧迫感と痛みから無意識に逃げようとしても、押さえつけられた体はそれを許してもらえず、ただ耐えるしかなかった。
体を繋げる時は、いつもこんな風に辛さの方が占める割合が大きい。
「奏多…大丈夫か?」
「平…気…」
きつく目を閉じ、浅い呼吸を繰り返しながら孝輔を全部受け入れると、圧迫感は残ったけれど 痛みは和らいだような気がする。
小さく溜息をつくと、頬を撫でられた。
「奏多…」
俺を呼ぶ孝輔の声に目を開けると、至近距離で俺を見下ろす孝輔と目が合う。
直後、額に孝輔のキスが降りて来た。
(出た、でこチューっ)
そう思った瞬間、フッと笑いが漏れて、体の力が抜けた。
「…いいよ、孝輔…動いても」
孝輔の首に手を回そうとしたけれど、それをやんわり押し返され 片方の手に指を絡め取られて しっかりと握られた。 そして、もう片方の手は……
「あっ…ん、ん……」
もう、すでに一度 孝輔の口でイかされた、俺自身を包み込むように握ってきた。