「どうして欲しいのか」と聞かれたのだから、してほしいコトをすべて言わなければ、甲斐は何もしてくれないのだと、晃は悟った。
普段の晃なら、そんなコト言えるはずが無いと判っていて、甲斐は言ってるのだから、これもお仕置きの一環なのだろうか?
(そんなコト、恥かしくて口にできるわけないだろっ)
そう思いつつも、立ち上がった昂りは強烈な愛撫を欲しがって 萎えるどころか、イタズラに甲斐が体のそこかしこをいじる度に、ヒクヒクと疼き、蜜を溢れさせている。
嬲られ、放置され、自分ですることも許されない。
これもお仕置きなのであれば、言ってしまえば終わるのだと自分自身に言い聞かせ、背に腹は変えられぬと、晃は羞恥に泣きそうになるのを堪えながら、甲斐に愛撫をねだった。
「甲斐…して、口で…しゃぶって、イかせて…」
目をキツく閉じて、震えながらそう言うと、甲斐は晃を思い切り抱きしめてきた。
「エロいっスね、先輩…すっごく可愛い」
クスクス笑いながら晃の瞼にキスを落とし、ゆっくりと移動していった甲斐の手が、ヒクつく晃の昂りに触れると茎を握ぎられ、次いでぬるぬるとした熱いものに先端を含まれ、待ち望んでいた そこへの刺激に晃はビクリと体を震わせた。
ずっと張りつめたままだった晃の昂りは、甲斐の口に含まれ舌を這わされた途端、一層に固くしなり、溢れる蜜が茎を握る甲斐の指まで濡らしていく。
「スゴイな…グズグズですよ。 こんなにしちゃって」
「ん、ふっ…言うな…バカ…」
再び、クスクスと笑う甲斐の舌先に、先端の窪みを抉るように刺激されると、思わず腰が引けるほどの痺れがズクンと下腹を直撃して、晃は甘い喘ぎを漏らした。
「あ、ぁん、はっ…あぁ」
長い間 触れられなかった昂りは、甲斐から与えられたほの少しの愛撫で、はち切れんばかりになり、暴発寸前だった。
こんな風になるなんて、まるで甲斐のいたぶりを悦んでいるみたいじゃないかと、恥かしさや怒りで頭が沸騰しそうになる。
それでも体は正直で、晃のつまらないプライドや羞恥心など、今 極みを迎えようとしている快感の前では、あって無いのと同じだった。
「あっ、ん…も、甲斐……イきそ――」
昂りを扱く甲斐の手の動きに合わせ、腰を揺らめかせながら沸き起こる快感の波に晃がすべてを委ねようとした時だった。
「ダ〜メっ」
突然、甲斐がそう言ったかと思うと、晃の昂りの根元を指で締め付け、先端の窪みも指で塞がれた。
「な、…で? 」
絶頂の寸前で総てをせき止められて、晃は一瞬、状況が理解できず呆けたように甲斐の顔を見つめた。
「イってもいいって誰が言ったの?」
口許に笑みを浮かべて晃を見下ろす甲斐が、微笑みを浮かべた悪魔に見えた瞬間だった。