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□『 さよならは朝の光の中で 1 』
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羽純 貴之(はすみ たかゆき)
        27歳
  ×
川瀬 詢 (かわせ まこと)
        24歳

[ 短編 ] 
  大好きな羽純先輩が本社へ異動?
  先輩の転勤を 受け入れられずに悩む詢は…
  リーマンCP の 甘い話です






 『 さよならは朝の光の中で 』


 俺が、その話を聞いたのは本当に偶然だった。
 取引先との打ち合わせを終えて、資材部に戻る前に気分転換でもしようと、休憩スペースに立ち寄った。
 コーヒーを買おうと自販機の前に立った時、すぐ隣の給湯室のドアがほんの少し開いていて、そこから女子社員達の話声が聞こえてきたんだ。
 聞くつもりもなかったけど、会話の中にある人の名前が出て来たものだから、前言撤回 聞き耳を立てた。

「まだ内緒の話なんだけどね、資材部の羽純さん、本社に異動だって」

「そうなの? 将来有望な独身男性が一人減っちゃうのね〜」

「ホント、残念よね。 エリートらしからぬ ぶっきらぼうな感じが、男っぽくて素敵だったんだけどなぁ」

「ま、羽純さんは元々 本社から来た人だし、仕事できる人だから戻って当然かもね」


 羽純先輩が、本社に異動?
 耳を疑うような話に、心臓がドキドキと心拍数を上げていく。
 資材部では、そんな話題は出ていない。  箝口令がしかれているんだろうか?
 いや、それ以前に、先輩が そんな大事な話を俺にしないなんて、絶対にありえない。
 俺は、コーヒーを買うのも忘れて、急いで資材部に戻った。

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