そのまま孝輔はTシャツを脱ぎ捨て、再び俺を抱き寄せると啄むような甘いキスを繰り返しながら、器用に俺の服を脱がせ下着一枚にするとベッドに押し倒してきた。
孝輔のベッドはセミダブルだ。
ガタイのデカい孝輔がシングルサイズで寝るのは無理があるからなんだろうけど、俺には少し心もとなさを感じさせるくらいの広さだ。
「……」
「何、笑ってんだ?」
「ん、さっきさ、そこでキスした時、もし俺だけ先に全裸にされたら、暴れてやろうと思ってたんだ」
「そりゃ良かった。お前が暴れると大変だからな……ホントはすぐにでも裸に剥いてやりたいとこなんだけど、俺なりに我慢してるんだぞ」
変なコト言うな!っと、孝輔の頭を殴ってやりながらも、顔が赤くなっていくのは止められない。
赤面した顔を見られたくなくて、そっぽを向いていると孝輔の手が頬から耳、耳から首、肩、腕と、確かめるような手つきで撫でて行く。 その感触だけで、体の奥の方にズクンと響くものを感じてしまう。
でも、それに流される前に孝輔に言っておかないといけないコトがあるのを思い出した。
「孝輔、待った。言っときたいコトがあるんだ」
「何?」
首筋に唇を這わせながら、孝輔が生返事をする。
「ちゃんと聞けって。俺、なんか女役みたいだけど…」
「ん?」
孝輔が上半身を起こして俺を見下ろして来る。
「何つーか…抱かれるのはいーけど、俺とお前の関係は対等だからな! そりゃ体格の差とか、力の差とかあるかもしんねーけど、一方的とか、無理矢理とか、そう言うの ありえねーから! この間のだって…それが一番頭来たし…悔しかったから…ぜってー、それ忘れんなよ!」
しばしの沈黙の後、孝輔がクスクス笑い出した。
「てめ、笑ってんじゃねーぞ」
「分った。…分ったから、絶対忘れないから……だから…もう、黙れよ…」
言うなり、孝輔の唇が俺のそれを塞ぐようにキスしてきた。
上唇と下唇を順に優しく食まれ、それぞれに舌を這わせられると体が震える。その振動が伝わったかのように同時に薄く開いた隙間から、熱い舌が侵入してくる。 そのねっとりとした感触に更に体が震えた。
「ん、ん…」