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項に毛足の長いラグの柔らかい感触を受けながら、結有はゆっくりと背中を反らした。
はだけられたシャツの陰で胸の小さな尖りが立ち上がっている。
直接触れられたわけではないのに、室温が低く肌寒かったコトと先程から撫でるように体を這う祥悟の掌の感触に煽られたせいだ。
反り返ったコトでできた背中の下の隙間を這う掌の熱に結有は小さな喘ぎ声を上げた。
「ん…ぁ……」
背中を撫でおろされる感覚は遠い快感を体の奥に届ける。
もうどれくらいあちこちを撫で回されているのだろう。
触れるだけの子供のようなキスを繰り返しながら、二人の体が縺れながらラグの上に倒れ込んでから、どれほどの時間が経ったのか分からない。
祥悟に着ていた物を脱がされてはだけたシャツと下着だけの姿にされた後、もどかしいくらいの手つきで体中をまさぐられた。
時折、唇が微かに肌を滑るくらいで、後はひたすら祥悟の掌が体を這うだけだ。
まだ深いキスもしていない。
それでも結有の体はどこか奥の方からジワジワと染み出る熱で確かに燻りだしていた。
「しょ…悟さ、ん…」
掠れた声で祥悟を呼ぶと、耳元に唇を寄せてくる。
「ん?」
祥悟の低音は、一言どころか一文字しか発せられていないのに、結有の体を震わせた。