Novel Library 4

□『 Cultural festival 〜折園シリーズ番外編〜 』 6
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「!?」

 訳を思い出した途端、言葉を失った。
 ついでにボッと顔に火がついたみたいに熱くなる。
 この歌と同じって、それって俺が態度に……。

「マジでっ!?」

 思わず叫んだ俺を、呆れ顔の折口が眺める。

「まぁ、気づいたのはアイツがお前に惚れてるからだろうけどさ。 多分、他の奴は気づいてないと思うけど? 多分な…」

 怖いコトを言うなよ。
 俺、もう少しポーカーフェイスの練習した方がいいのかな?
 でも、そういうコトなら先輩は、もう俺のコトなんて諦めてくれたってコトだよな。 だとしたら、これはこれで良かったのかもしれない。
 全部終わった後に、俺が恥かしい思いをしただけで…。

「あ、フォークダンス、マイムマイムに変わったぞ」

 窓の外を見ていた折口の呟きに、隣に並んで外を見る。
 ファイヤーストームを囲んだ二重の輪になって、みんなでマイムマイムを踊る姿が見えた。

「あれさ、内側の輪にいるとマイム ベサソン≠フトコで外側の輪の奴らに蹴られたりすんだよな」

「あ〜、俺らも中学の時、やったわ」

「だろ?」

 懐かしくてくだらない思い出に笑う。

「そう言えばさ、あのベサソン≠チて何なの、一体? つか、意味あるんかな?」

 これって、誰でも一度は考えるんじゃないか?
 俺の素朴な疑問に折口は首を傾げる。

「なんか、中学の時の担任が言ってたような気ぃするけど、歌詞自体が水路を引くコトができて喜んでる≠チて内容なんだと。 だから嬉しい≠ニかそんな意味じゃねぇの?」
 
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