折口からフォークダンスの輪に視線を向けて、ボソッと呟く。
ハッキリと口にするのはちょっと恥ずかしかったから、折口の顔なんて見られなかった。
「折口とはいつだって手ぇ繋ぎたいって思ってるんだぜ、俺――」
全部言い終わる前に、またキツく抱きしめられた。
「お前、なんでそういうコト言うワケ?」
「な、何が?」
怒っているような折口の口調にびっくりして聞き返した。
折口を怒らせるようなコトは何も言っていないはずだけど?
「んな可愛いコト言って、俺の自制心試そうとか思ってるなら、当然 覚悟はできてるんだよな?」
言いながら折口の腕が腰に回って来て、逃がさないとばかりにホールドしてきた。
雰囲気的に折口がエロモードに入ったんだと察した。
どうやら、俺は迂闊にも折口のスイッチを押してしまったみたいだ。
つか、どこに折口のエロモードのスイッチがあるのか、俺には未だによく分らない。
「ハ? 別にそんなコト考えてたワケじゃねぇよ…」
「じゃあ、無意識かよ? だとしたら余計に性質悪ぃよな」
性質悪いって酷くね?
俺はただ手ぇ繋ぎたいって言っただけで、エロいコトしたいなんて言って無いぞ。
「園田のコト好き過ぎて、俺はいっつも我慢しっぱなしだってのに、お前はすぐに俺を挑発するから」
いきなり制服のボタンを外し始めた折口の手を慌てて掴んだ。
こいつ、ここで何する気だよ?
「挑発した覚えなんてねぇよ。 つか、ここ学校だぞ?」
「分かってるけど、止まんねぇ」
俺の抵抗なんて欠片も気にせず制服のボタンを全部外し終わった折口の指は、迷う素振りもないままにシャツのボタンまで外し始める。
嘘だろ?