Novel Library 4

□『 Cultural festival 〜折園シリーズ番外編〜 』 3
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 とんでもない物を食わされたせいで、お好み焼き1枚で腹いっぱいだ。

「そうっすね。 殺人兵器のお好み焼きモドキも、やっつけたコトだし」

「園田先輩、酷い。 モドキじゃなくて、れっきとしたお好み焼きっすよ」

 殺人兵器に関しては否定しないのか…。

「それと、忘れてますよ。 賞品のポップコーン」

 手渡されたポップコーンを一瞥した後、おもむろにそのビニール袋を破いて中の紙コップを取り出す。
 そのまま岩井先輩に向かって差し出した。

「先輩、口直しにどうぞ。 アホな後輩のせいで変なモン食わされたから、いりますよね?」

「うわっ! 園田先輩、嫌味だな〜。 もう少し、後輩に愛を持って接してくださいよ」

「お前みたいな後輩にやる愛なんて、持ち合わせてねぇよ」

 直後に「心狭いな」と後輩のボヤキが聞こえたけど、もう返事をする気力も無くてスルーした。
 大量の七味のせいで唇は痛いし、汗はかくしで散々な目にあったんだから疲れもするっての。
 先輩と連れだって廊下に出ると、文化祭も終盤に入ろうと言うのにまだたくさんの生徒や他校生が行き交っていた。
 それにしても…折口はまだ当番交代できないのかな?
 ポケットの中のケータイはウンともスンとも言わないし、バイブの振動が伝わることも無かった。
 気になってポケットに手を突っ込んだ時、不意に岩井先輩に呼ばれて顔を上げてみる。

「園田、唇が赤くなってる…」

 いきなり先輩の人差し指が、七味のせいでじんじんと疼く唇に触れてきた。

「!?」

 ちょっ!
 これは…どう反応したらいいんだ?
 結構な数の人が行き交う廊下の端で唇を触るとかって、正直どう返したらいいのか反応に困った。
 戸惑いを隠しきれない俺を見下ろしていた先輩の指先が、ゆっくりと唇を撫でるように辿り出した時、さすがに恥ずかしくなって先輩の手を掴んだ。
 
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