Novel Library 3

□『 屋上 〜 折口 三たび 〜 』 折園シリーズ 3
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  『 屋上 〜折口 三たび〜 』

   折口(16) × 園田(16)


「寒いっ!!」

 2月も終わろうとしている底冷えの空の下で、俺は堪らず呟いた。
 塔屋の陰に座っているから多少は風もさけられてるけど、屋外であるコトには変わりがないから どうにも寒さは凌げない。
 ここは校舎の最上部。
 いわゆる屋上だ。
 俺が学校で過ごす時間の中で一番好きな昼休みを、なんでこんな場所で過ごしているのか?
 それは俺にも分らない。
 だから その疑問を、隣でのほほんとパンを食ってる折口にぶつけてみた。

「なぁ、折口…なんで俺ら こんなトコで昼飯食ってんの?」

 俺の質問に折口はパンを口に運ぶのを止めて、呆れたように俺を見た。

「そんな判り切ったコト聞くのか? 園田と二人っきりになりたいからに決まってんだろ」

 言いながら俺の左肘に触ろうとするから、肘を大げさに振ってそれを阻止する。
 もっとも左手に持つ弁当箱の中身が飛び出さない程度にだけど。

「だからって、この寒空に屋上は無いだろ? 見ろ、箸を持つのも難しいくらい手がかじかんでるじゃねーか」

「じゃ、今度からフォーク持ってこいよ」

 俺は 箸の使えない幼児かっ!
 だいたい、折口と二人で昼飯食ってる時点で間違ってる。 それも屋上。

「問題 掏り返んなよ」

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