噛み締めていた唇が解けて、思わず高い声を上げてしまう。
「気持ちいい?…」
僕の上げた声に嬉しそうに笑った先輩の唇が敏感になった先を更に弄ぶ。
キツく緩く、強弱をつけてそこを吸われて、僕は声を止められなくなった。
「あ…ぁん…ん……あっ、あ…」
どんどん湧き上がってくる今まで知らなかった感覚。
なんだろう…これって、すごく…すごく……
「…っ持ちい……」
そう零した途端、胸の先を音が立つくらい強く吸われた。
「あんっ」
「可愛い声出すんだな」
思わず見惚れそうなくらい綺麗な顔に、男臭い笑みを乗せて先輩が僕を見下ろす。
僕の知らなかった先輩の顔。
そんな表情を見せられたコトに戸惑いながらも少し嬉しくて、恥ずかしくて、つい目を伏せたら優しくキスされた。
男っぽい表情からは考えられないくらい甘いキスで、僕はなんとなくホッとする。
見たコトのない先輩がちょっとだけ怖いような気がしたけど、やっぱり先輩は先輩なんだ。
掴まれていた手を首に回すように促されて、僕は先輩の首と頭を腕で抱えるみたいにして抱きついた。
何度も唇を優しく吸われて、頭の中が蕩けて何が何だか分からなくなってくる。
先輩のくれるキスに夢中になっていると、体にかかる重みがフッと消えた。
体を浮かせた先輩の手がスルリと僕の上を滑り落ちる。
「んぅっ」
いきなりそこを下着の上からやんわりと握られて、僕は息を詰めた。