『 SLOW LOVE 』 vol.2
月曜日。
課長が朝一からの会議で席を外しているのをいーコトに、俺のデスクの周りに購買部の女の子達が溜まっている。
「もう、すっごく似合いますよ、その髪型」
「うん。前の茶髪も良かったけど、相沢さん黒髪も似合うんですね」
「そ、そうかな…」
昨日、髪をカットしてきた。
以前は長めの茶髪だったけど、思い切って色を戻してカットした。 ついでにゆるめでハネ感のあるパーマをかけた。
外観の変貌ぶりに女子社員達はやけに盛り上がっている。
「このパーマがいいよね。 フワフワしてて可愛いってゆーか」
「そうそう、カッコ可愛いってゆーか」
女子に囲まれてデスクから離れるコトのできない俺は、なんだか動物園のパンダにでもなった気分だ。
「でも、相沢さんってマメですよね」
「へ?」
一人の女子の言葉に首を傾げると、女の子達はこぞって頷いた。
「うん、分る。 2か月に1回、ヘアスタイル変えるなんて女でもなかなかしないよね」
思わず、ギョッとする。
確かに俺はここしばらく2か月置きに髪型を変えてる。