Novel Library 2

□『 SLOW LOVE 』 vol. 2
1ページ/9ページ


 『 SLOW LOVE 』 vol.2


 月曜日。
 課長が朝一からの会議で席を外しているのをいーコトに、俺のデスクの周りに購買部の女の子達が溜まっている。

「もう、すっごく似合いますよ、その髪型」

「うん。前の茶髪も良かったけど、相沢さん黒髪も似合うんですね」

「そ、そうかな…」

 昨日、髪をカットしてきた。
 以前は長めの茶髪だったけど、思い切って色を戻してカットした。 ついでにゆるめでハネ感のあるパーマをかけた。
 外観の変貌ぶりに女子社員達はやけに盛り上がっている。

「このパーマがいいよね。 フワフワしてて可愛いってゆーか」

「そうそう、カッコ可愛いってゆーか」

 女子に囲まれてデスクから離れるコトのできない俺は、なんだか動物園のパンダにでもなった気分だ。

「でも、相沢さんってマメですよね」

「へ?」

 一人の女子の言葉に首を傾げると、女の子達はこぞって頷いた。

「うん、分る。 2か月に1回、ヘアスタイル変えるなんて女でもなかなかしないよね」

 思わず、ギョッとする。
 確かに俺はここしばらく2か月置きに髪型を変えてる。

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]