「香月…」
「好きだよ、拓ちゃん…」
拓の瞼に、額に、頬に、何の法則もないまま香月のキスが落とされる。
それと同時に香月の指先が拓の耳殻を愛撫し、くすぐるように首筋を這い、浮き出た鎖骨や、女とは明らかに違う骨ばった肩を撫でる。
何度も同じ道筋を辿り、拓の骨格を味わうように這う指の感触が拓の体を熱くする。
香月の唇がキスの雨を降らせながら、耳へと辿りつくと耳朶を甘噛みされた。
ピクリと震えた拓の肩を宥めるように撫で擦った後、香月の大きな手が隆起のない胸へと這い、何度も何度も撫でた。
やがて拓の胸の小さな突起が与えられる刺激に固く尖り始めると、それを2本の指の腹で強く抓まれ擦り上げられ、思わず口をついて出そうになった喘ぎを拓は唇を噛んで耐えた。
「ここ、感じる?」
「っ…」
「…感じてるだろ? なら、声出して」
耳に、熱い吐息と共に香月の声を感じる。
拓は下唇を噛んで なおも声を殺した。
「なんで我慢すんの? 拓ちゃんの声 聞かせてよ」
恥かしかった。
香月のキスと僅かな愛撫でこんなにも感じてしまっている事実が、ただ恥かしかった。
そして7つも年下の香月の愛撫にこんなにも簡単に高められているコトが、ほんの少しだけ悔しかった。
だから拓は 一度口を開いてしまえば もう止めるコトなどできないだろう声を我慢し続けた。
その間も香月の指と舌は止まるコトは無い。
「拓ちゃんの意地っ張り…」
クスクス笑いながら、香月は拓の硬く立ち上がった尖りを濡れた舌で舐め上げた。
「っ…」
舌全体で大きく乳首を舐められると、快感に無意識に体が強張る。