Novel Library 2

□『 すくーる でいず 〜 シナモンとネクタイ〜 』 S
3ページ/5ページ


「香月…」

「好きだよ、拓ちゃん…」

 拓の瞼に、額に、頬に、何の法則もないまま香月のキスが落とされる。
 それと同時に香月の指先が拓の耳殻を愛撫し、くすぐるように首筋を這い、浮き出た鎖骨や、女とは明らかに違う骨ばった肩を撫でる。
 何度も同じ道筋を辿り、拓の骨格を味わうように這う指の感触が拓の体を熱くする。
 香月の唇がキスの雨を降らせながら、耳へと辿りつくと耳朶を甘噛みされた。
 ピクリと震えた拓の肩を宥めるように撫で擦った後、香月の大きな手が隆起のない胸へと這い、何度も何度も撫でた。
 やがて拓の胸の小さな突起が与えられる刺激に固く尖り始めると、それを2本の指の腹で強く抓まれ擦り上げられ、思わず口をついて出そうになった喘ぎを拓は唇を噛んで耐えた。

「ここ、感じる?」

「っ…」

「…感じてるだろ? なら、声出して」

 耳に、熱い吐息と共に香月の声を感じる。
 拓は下唇を噛んで なおも声を殺した。

「なんで我慢すんの? 拓ちゃんの声 聞かせてよ」

 恥かしかった。
 香月のキスと僅かな愛撫でこんなにも感じてしまっている事実が、ただ恥かしかった。
 そして7つも年下の香月の愛撫にこんなにも簡単に高められているコトが、ほんの少しだけ悔しかった。
 だから拓は 一度口を開いてしまえば もう止めるコトなどできないだろう声を我慢し続けた。
 その間も香月の指と舌は止まるコトは無い。

「拓ちゃんの意地っ張り…」

 クスクス笑いながら、香月は拓の硬く立ち上がった尖りを濡れた舌で舐め上げた。

「っ…」

 舌全体で大きく乳首を舐められると、快感に無意識に体が強張る。

次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]