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□迷走 Holly Night 第3話
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 今は起きているんだから、もう起こしてしまう なんて心配しないで触れるコトができる。
 思いきり伸ばした手の先が、孝輔の頬を触る。 もっと触りたくて身を乗り出す。 両膝と左手をラグに着いて体を支えながら 更に手を伸ばす。 掌全体で孝輔の頬を包むと その体温が伝わってきた。

「奏多…」

「ん?」

 小さく返事をするやいなや、腕を引かれ 孝輔の胸に倒れ込むようにして抱き寄せられた。

「俺にも触らせろ…」

 不満をつぶやいた唇が 唇に触れ、緩く押し付けられる。
 腕を掴んだ孝輔の手が肘から肩へと這うように上がってきて、鎖骨の辺りを確かめるように往復した後 首筋を伝って頬に辿り着くと 大きな掌で頬を包まれ、それと同時に唇が強く押し付けられる。
 下唇を吸われたコトで 薄く開いたそこへ熱い舌が滑り込んで来て、口内をぬるぬると這いまわる。 舌先で催促するように奥に引いた舌を突つくから 躊躇いながら差し出すと いきなり絡め取られ きつく吸われた。

「ん、フッ…んん…」

 舌を絡め合う度に濡れた音が立ち あふれてくる唾液が混ざり合って口の端から伝うと、キスしかしていないのに いやらしい気分になっていく。
 パジャマのボタンを外す手は淀みなく、すぐに両肩から剥ぐように落とされた。

「もう感じてるのか? 乳首立ってる」

 孝輔の指が胸の先をくすぐるように撫でると、体が震えた。

「ん…やだ…って…」

「うそつきだな…こんなに感じてるくせに」

 固く凝った乳首を抓まれ、キツく引っ張られると、体がビクリと揺れた。
 いつも そうだ。 孝輔に触れられると、恥かしくて仕方ないのに感じてしまう。 もっと触ってほしいと思ってしまう。

「孝輔…」

 孝輔の首に縋りつくように腕を回して抱きつくと、腰の辺りを抱き寄せられ そのまま毛布の上に押し倒された。

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