「あ〜ぁ、またお預けかぁ」
折口に背を向けてボタンをとめながら呆れ顔で振り返ったら、悪びれた様子も無く肩を竦めるている折口が見えた。
この様子じゃ、少しも反省してないな。
「だから、場所を考えろよ。 だいたい、ここは岩井先輩のクラスなんだぞ? さっきの今でよく発情できるな、お前」
「俺らがこんなコトしてるの見せたら、アイツも諦め着くんじゃね? ホントしつこいから、アイツ…」
折口が言うほど、俺は先輩にしつこくされた覚えは無いんだけどな。
何を思ってそんな風に言うんだろう?
そう言えば…。
「なぁ、さっき先輩と話してたの、あれ何の話なんだ?」
「ハァ? 何の話って、何が?」
「だから、先輩と話してただろ? 前にも言ったとか、あの時言ったとか」
制服を直し終わった俺が折口の方に向き直ると、折口はようやく思い出したのか「あぁ…」とつまらなさそうに窓の外に視線を移した。
運動場ではファイヤーストームを囲んだフォークダンスが続いてる。
「前に岩井先輩から同じ質問をされたコトがあるんだよ。 まだ3年が部活を引退する前だったと思うけどお前は園田の何なんだ?≠チて」
え? そんなコトがあったのか?
全然知らなかった。 というか、折口は一言もそんなコト俺に言わなかった。
「なんで、俺に言わなかったんだよ?」
「言うほどのコトでもないだろ? つか、言うのも変だろ?」
そりゃ、そうかもしれないけど。
でも折口はなんて答えたんだろう?
もし俺達の関係を折口が暴露してたんだとしたら、先輩が俺に告るなんてコトは無かったような気がする。
だとしたら、友達? 親友? 部活の仲間?
俄然、折口の答えが気になり出した。