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□『 True Love なんて いらない 』 完結10
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 祥悟の体勢が変わったコトで中のものの角度も変わり、引き抜かれた欲望が入ってくる度に前立腺を擦る。
 硬い先端がそこを突くと堪らず、はしたないなどと思う間もなく声を上げてしまう。

「ん、やっ……い…持ちぃ…あっ……ぃい…」

 声を上げ身を捩って善がる結有を欲情に駆られた目で見つめ、祥悟は繰り返しその場所を突き上げてくる。
 気持ち良くて、変になりそうで、泣きたいくらいに感じてしまう。
 体の奥から全身に広がる疼くような快感は、やがて焦燥感にも似たそれに変わり、結有の体を追い詰める。
 沸き起こる衝動に結有はシーツから手を離すと、胸の上で握り合った祥悟の手にもう一方も重ねた。
 キツくキツく握りしめると、結有は快感に涙の滲んだ目で祥悟を見上げ、激しく揺さぶれながら限界を伝える。

「も、無理…俺……またイっちゃ…あっ、ぁん…」

 最後まで言い終る前に奥深くまで祥悟に貫かれ、思わず息を飲む。
 頭の先まで駆け抜ける快感をどう逃がしたらいいのか分からずに、結有はただ唇を噛んで堪えるコトしかできなかった。
 何度も奥を突かれ下肢の感覚がなくなって行くのに、穴の中だけは敏感で摩擦される熱に爛れたように激しく淫靡に疼いた。

「イきそう?」

 荒い呼吸混じりの祥悟の問いかけに、結有は声も無く何度も頷いた。
 一声でも上げたら達してしまいそうだった。
 そんな結有の体を再びキツく抱きしめると祥悟は一際深く突き上げてくる。
 これ以上ないほどの最奥に祥悟の欲望を感じた結有は、その瞬間 堪えきれずに悲鳴のような声を上げて三度目の極みに達した。
 直後に祥悟も結有の中で達する。
 熱い脈動を体の奥深い所で感じた結有は、初めて知る祥悟の脈動に言いようの無い喜びを感じてしまう。
 以前 祥悟に抱かれた時とは全く違う荒々しくて情熱的なセックスは、息をするのも忘れてしまいそうなほど結有を余韻に浸らせた。
 握り合った手と、片腕だけの抱擁に甘く体を震わせながら結有はぼんやりと思う。

(好きな人に抱かれるって…こういう気持ちだったんだ…)

 体に祥悟の重みを感じるコトが堪らなく嬉しかった。
 感じたコトのない切ないような幸せな気持ちを、快感に震えが止まらない体にのせて、結有は祥悟の背中に腕を回す。
 それでも二人、繋いだ片方の手だけは離すコトなく指を絡めたままだった。
 このまま動かないでいて欲しいと結有は願う。
 意地悪で優しい恋人。 幸せを感じさせてくれる彼の重みを、もう少しの間 受け止めていたかった。


  ☆『 True Love なんて いらない 』 完結11

 
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