先輩の視線につれらたように皆が一斉に僕を見た。
二十四の瞳≠ネらぬ十四の瞳に見つめられて、僕は思わず後ずさる。
「そうか、真史か」
「あぁ、真史がいたな」
口々に僕の名前を連呼して皆がじりじりと詰め寄ってくる。
「な、何?」
ちょっと皆の目が怖い。
「じゃ、モデルは真史ってコトで」
何の前置きもなく、いきなり結論付けた部長に僕は慌てて抗議した。
「なんで僕なんですか?」
「満場一致の意見だ。 諦めろ」
満場一致って、僕は賛同してないのに?
「無理です。 僕、モデルなんてやったコト無いんですから」
「そんなの俺達だってやったコトねぇよ。 まぁ、ここは先輩命令ってコトで黙って従え」
「お、横暴だ」
「横暴なのは百も承知だ。 学生時代の上下関係は絶対なんだからな、後輩に拒否権は無い」
メチャクチャな理由で僕を拘束する先輩達に、返す言葉を探しているうちに当初モデルが座るはずだった椅子に無理矢理座らされた。