BLの部屋

□星
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「わー!綺麗だね!」

「そうっスね!」

獄寺とツナはこっそり家を抜け出していた。

今日は、ツナの家に、獄寺と山本が泊まりにきていた。

山本に悪い気がするが、それ以上にツナの心は躍っていた。

(ご、獄寺くんと二人っきりかあ・・・。)

ツナは獄寺が好きだ。

本当は誰にでも優しいってこととか、綺麗な髪とか。

(何より、特別扱いってことがうれしい。)

最初は、かなり悩んだ。

獄寺もツナも男。

この気持ちがばれたら、獄寺は気味悪がって離れていってしまうんじゃないか・・・

それが怖くて、何より怖かった。

今だってはっきり分かってるわけじゃない。

(オレの心で想い続けるだけ。それなら、許してくれるでしょ?獄寺くん・・・)


「そういえば十代目。」

「?何?獄寺くん。」

「今日の放課後、どこに行ってたんですか?」

(ギクッ!)

「・・・。」

(ひ、雲雀さんのばかああああ!)

実は今日の放課後、獄寺たちに先に帰ってもらったのである。

理由は・・・

「遅いよ。沢田綱吉。」

「は、はいいいぃぃぃい!!」

雲雀に呼び出されたのだ。

しかもその上。

(言えるわけないじゃん!キスされたなんて・・・)

キスの後、雲雀に

「帰って。」

の一言でたたき出されたうえ、そのせいで獄寺たちを待たせてしまったのだ・・・

「ほんっとうにごめん・・・待たせて。」

「俺が聞きたいことはそれじゃないです。聞きたいのは・・・。」

いつにもなく厳しい獄寺の顔に、ツナは息を呑んだ。


「どうして雲雀とキスしてたんですか?」


み、見られてたあああああああああ!!?

(へ、変な誤解されてるよきっと!)

「ご、誤解だよ獄寺くん!」

「何が誤解なんですか?」

「あ・・・だからその!」

「雲雀が好きなんですか?」

「!?違うよ!」

(その動揺の仕方・・・やっぱり・・・)

獄寺は勝手に悩んでいるが100%誤解である。

「だ、から!オレがすきなのは

「雲雀なんでしょう?」

「違うの!」

「違いませんよ。キスしてたでしょう?」


「オレがすきなのは、獄寺くんなの!」


「は・・・?」

(い、言っちゃったよおおおお!!?)

「キスも無理やりされただけなの!オレは獄寺くんしか好きじゃないの!」

「・・・十代目。」

獄寺はまっすぐこっちを見つめ、












「申し訳ありませんでしたあああああああぁぁぁぁああぁあああ!!!!!!」

地面にゴツゴツ頭をぶつけて土下座する獄寺。

「ご、獄寺くん!!?落ち着いて!?」

「十代目のお気持ちも知らず、失礼なことを・・・!」

「・・・獄寺くんっていつもそうだよね。」

「・・・十代目・・・?」

「オレのこと、ボンゴレ十代目としか見てくれない。オレはマフィアになる気なんてないのに

「十代目!」


「オレは十代目が好きなんじゃないです。」

(・・・そうだよね。オレは男だもんね。)

ツナは少し悲しげに笑った。



「沢田綱吉さんが、好きなんです。」

「・・・え?」

「ボンゴレ十代目とか、そんなの関係なしに、俺は貴方が好きなんです。」

「え・・・あ・・・っ。」

「雲雀にキスされて嫉妬してたのは誰ですか?」

・・・獄寺くん。

「貴方が好きなのは?」

獄寺くんだよ。

「そして俺が好きなのは?」

・・・オレ、なんだ。



獄寺くんの腕の中はあったかくて、すごく安心した。
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