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□天体観測
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ちょん、とヒカルの指に自分の指をかけると手を握ってくれた。
「お前手え冷たい」
「冷えちゃった。ヒカルはあったかいね」
「ずっとポッケに突っ込んでたからな。あーあ、早く春になんねえかなぁ」
「でも冬は星がキレイに見えるよ」
「んー、まあな」
「いつか天体観測してみたいなぁ、自然がたくさんある田舎とか行ってさ」
「お、いいなそれ」
「でしょ?」
得意気に微笑んで横を向くとヒカルもちょっと乗り気だ。
「いいじゃん、今年中に行こうぜ」
「いいの?」
「ああ、善は急げって言うだろ? 泊まりで行こう、二泊でいいか?」
「うん! わあ楽しみ、絶対だよ」
「おうよ、どこ行くか明日決めよう」
「どこが良いかなぁ、九州とかかな」
「んー、そうだな……」
久しぶりのお泊まりにはしゃぐふたりの上で、星たちは変わらずに輝いていた。
FIN.
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