浦原×コン
□お題
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怖くない、と言ったら嘘になるけど
「コンさん、こんにちは」
「おぅ…」
「今日は黒崎さん、身体を貸してくださったんスね」
「なんかやたらと機嫌が良くてよ」
「まぁなんとも気味の悪い…」
「ヒデーな……たしかに気味は悪かったけど」
「それで、何かご用でこちらへ?」
「いや、特に…ふらっとしてたらここに着いた」
「ふふ、そうですか。お茶でも飲んでいかれますか?」
「…………おぅ」
「そんなに身構えなくても、何もしませんよ?」
「…………いや…あの」
「破棄するなんてことも、考えてません」
「……………」
「手放したのが惜しいくらいだ」
「浦原…?」
「言葉だけでは、足りませんね」
「?」
「アナタの抱えている不安を、言葉だけで拭い切るのは容易じゃない」
「浦原……」
「どうすれば、もっとお近づきになれますかね?」
「…怖くなんかねぇ、って言ったら…嘘になるけど」
「……はい」
「意味もなくふらっと立ち寄ったり、茶飲めるくらいには アンタに近づいてるつもりだ」
「十分っスよ…」
(十分ですよ。“今は”ね)
END
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